かきは美味しいだけではなく、
とっても身体にいい食材です。

 

 海のミルク
 よくかきは「海のミルク」といわれますが、その理由はかきには人が必要とするほとんどすべての栄養素を含んでいるからです。蛋白質・糖質・脂質などの基本的な栄養素はもちろん、旨味のもとになるグルタミン酸やグリシン、アスパラギン酸なども含まれています。さらに、ビタミンB・D・E・Fを含有。その他、亜鉛、カルシウム、リン、鉄、銅、マンガン、ナトリウムもそろっています。しかも、かき自身は消化がいいばかりではなく他のものと一緒に食べるとその消化も助ける働きをもつスグレものなのです。

 元気の元
 かきの成分の中でも代表格といわれるのが「タウリン」。実はこのタウリンは、体内の殺菌・消毒・解毒の作用をする白血球の中に多く存在しているものです。だから、病気や傷、ストレスなどがあると体内のタウリン量は急増。身体はこれを取り去ろうとガンバルのです。つまり、かきを食べれば健康の基本となるパワーを取ることになるのです。

 活動力の源泉
 三大栄養素の一つである糖質は、体内に入るとブドウ糖・果糖・乳糖などに分解されて吸収されていきます。これらの成分はエネルギーの源。そのブドウ糖が肝臓に入るとグリコーゲンになって蓄えられたり、血液を通して筋肉や臓器に入って利用されます。このグリコーゲンをたっぷりもっているのがかき。かつて、野口英世はグリコーゲンの需要性を普及させるためにかきを食べることを推奨したといわれます。

 生活習慣病も予防
 年輩者はもちろん若い世代にも増えているコレステロール値や中性脂肪値の高い症状。これらの症状は動脈硬化といった生活習慣病を引き起こす原因だと言われています。実は、かきに大量に含まれているタウリンは、コレステロールの代謝を改善する働きももっているのです。だから、一般的に言われている貝類にはコレステロールが多いという常識は、かきにはあてはまらないのです。それどころか、コレステロール値や中性脂肪値を下げるので、生活習慣病を予防に役立っているのです。

 動脈硬化も予防
 最近、リノール酸を含んでいるという理由から注目されている人気のベニバナ油や小麦胚芽油。実は、かきもリノール酸を含んでいるのです。人間には1日約4g必要とされているのリノール酸は、細胞膜脂質の機能を守る役割を果たします。細胞膜脂質が損なわれるとコレステロールの割合が高くなり、さらに透過性や弾力性が低下し老化を早めてしまいます。いつまでも元気で健康でいるためにもかきをしっかり食べた方がいいでしょう。

 血液の酸性化を防止
 肉類を取りすぎると血液が酸性過剰になるといわれています。これを抑制するために必要な要素がカルシウム。かきはその大切なカルシウムを多く含んだ食材なので、かきを食べることは血液の酸性化を防止するのです。さらに、かきが多量に持っているリンが体内に摂取されると、カルシウムとバランスを取り合って生命活動に力を発揮。しかもリンには栄養吸収を促す作用もするのです。

 味覚を守る亜鉛
 最近、増えているといわれているのが、味覚を失ってしまうという症状。この病気の原因の一つにバランスの悪い食事や刺激の強い食物ばかりをとりがちな現代の食生活にあるといわれています。こうした症状の治療に用いられるのが「亜鉛」。亜鉛を含んでいるかきは、現代の食生活のなかで積極的に取りたいものだといえます。

 女性のためのかき
 多くは貧血で悩んでいる女性は少なくないといいます。その多くが鉄欠乏症貧血です。この貧血は赤血球の数は減っていないのにヘモグロビン量が足りないというものです。そこで必要になるのがまず鉄分。しかしいくら鉄分を摂っても、その鉄を活用してヘモグロビンを合成するための銅が足りなければ貧血症状改善にはつながらないのです。その点、鉄と銅の両方をもっているかきは、まさに女性のための食品といえます。

 若返りに効力発揮
 最近、長生きと若返りの効果があると注目されているビタミンE。ビタミンEを含んだ化粧品や栄養補助食品なども多く市販されています。かきはそのビタミンEも含まれているのです。美味しく食べるだけで若返りと長生きにつながるかきはもっともっと利用したい食品です。


●かきの栄養成分比較表(可食部100g中)●
  エネルギー
(kcal)
蛋白質
(g)
脂質
(g)
糖分
(g)
ミネラル(mg) ビ タ ミ ン
カルシウム A(IU) B1(mg) B2(mg) C(mg)


78 9.7 1.8 5.0 55 3.6 55 0.16 0.32 4
162 12.3 11.2 0.9 55 1.8 640 0.08 0.48 0


59 2.9 3.2 4.5 100 0.1 110 0.03 0.15 1